蜷 川 有 紀 絵 画 展
薔 薇 迷 宮
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於:大丸心斎橋店北館14階イベントホール 2013年4月24日(水)~ 4月29日(月・祝)
営業時間 10:00~20:00(最終日は18:00閉場) 会期中無休/入場無料
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ようこそ薔薇迷宮へ
かさなりあった薔薇の花びらの奥の奥には、
いったいどんな世界が広がっているのだろう?
可愛らしい妖精が眠っていたり、愛し合う男女がいたり、
不思議な生き物たちが遊んでいるのかもしれない。
薔薇は、いつも私を魅了してやまない。
それは、この世に生きる歓びにあふれているから。
さあ、扉をあけて迷宮のような薔薇の世界へ。
そして、そのむこうに広がる薔薇都市へ出掛けましょう。
April, 2013 蜷川有紀

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薔薇の迷宮力あるいは「コワミタイ」世界
「迷宮」は、「迷路」と違い一本道の渦巻き状の構造をしているのだそうだ。
ギリシア神話に出てくるミノタウロスを閉じ込めた、クレタ島のクノッソス
の迷宮がその始まりと言われている。迷路のように道の選択に迷うのではな
く、どこまでも果てしなく道があることの恐怖と好奇が「迷宮」の心理的構
造にもなっている。例えば宮澤賢治の『注文の多い料理店』はまさしくこの
迷宮的物語で、二人の猟人は結局先に進まず引き返すことになる。迷宮の面
白さは、どうしても先に行きたくなる誘惑と幻惑と、その先に対する不安と
を持っていることだろう。今風のコトバに直せば「コワミタイ」世界なので
ある。
蜷川有紀の薔薇は迷宮のように、渦巻くように描かれている。それにしても
薔薇の花ほど芸術家に愛された花はないのではないか。陶淵明の『桃花源記』
の桃も、坂口安吾の『満開の森の桜の樹の下』の桜も、バラ科の花である。
繚乱という言葉を欲しいままにする花の一族は、洋の東西にかかわりなく愛
され描写されて来た。さらにいえば蜷川有紀は薔薇の持つ「迷宮性」に気づ
き、美しいだけではないある危険すらをも予感させる描き方に至ろうとして
いる。それはまるで自分が薔薇の花に化身してしまいそうな、同化してしま
いそうな誘惑に立ち会っているのだ。それが彼女の絵の、もっとも本質的な
魅力だろう。
迷宮力を持つ薔薇の虜にされてしまった人、それが蜷川有紀である。
榎本了壱(京都造形芸術大学教授)
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【EVENT】
作家来場 ≫
会期中連日午後3時〜5時(予定)
上映会 Screening ≫
連日、短編映画「バラメラバ」(15min)、「薔薇都市」(5min)、新作「薔薇迷宮」他を常時上映。
ライヴペインティング Live paintting ≫
27日、28日を除く、連日2時から2時半
実際の制作風景をご覧頂けます。
薔薇の朗読会 Poetry reading ≫
4月27日(土)午後2時〜2時30分
ジャック・プレベール、ランボー、北原白秋、与謝野晶子、
サン=テグジュペリなど、古今東西の薔薇の詩や小説を蜷川有紀が朗読します。
短編映画「バラメラバ」上映会&スペシャルトーク Short film “BARAMERABA”Screening & Special Talk ≫
4月28日(日)午後2時〜2時30分
初めて監督・脚本を手がけた映画作品の上映と本人による楽しいトークもあります。
Live Painting |
Poetry Reading |
Screening & Special Talk |
【GALLERY】
【DRAWING】