蜷 川 有 紀 絵 画 展
薔 薇 都 市
2 0 1 2 . 5 . 3 0 wed – 6 . 1 0 sun
於:東急Bunkamura Gallery 2012年5月30日(水)~ 6月10日(日)
営業時間 10:00~19:30(初日27日は18:30閉店) 会期中無休/入場無料
蜷川有紀 yuki ninagawa 薔薇都市 |
ようこそ薔薇都市へ
—都市は、夢と同様「欲望」と「恐怖」で築かれている―
カルヴィーノのそんな言葉とともに、架空の都市に旅に出ました。
その物語が私の中で溶けて、よろこびと涙と焦燥と混ざりあい絵になりました。
窓の奥には、愛しあっている恋人たちや、独り読書する人がいたり、
不安で眠れない夜を過ごしている人がいるかもしれない。
人がそこにいるから、街がある。
都市を描いていて、そんな単純なことに気がつきました。
どうぞごゆっくり、この「薔薇都市」で心を遊ばせていらしてください。
多くの素晴らしい方々との出会いが、私に畏れずに表現する勇気を与えてくれました。
この場をかりて、心よりお礼を申し上げます。
May 30, 2012 蜷川有紀
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【GALLERY】
蜷川有紀と「見えない都市」
團紀彦
NORIHIKO DAN
建築家
以前、蜷川有紀さんの絵画の個展で「イタロ・カルヴィーノの『見えない都市』を描いてみたら」という趣旨の立ち話をしたように思う。画家に向かってなんと僭越なことを言ったものかとあとになって後悔をしたが、有紀さんの絵には何かそうしたものを思わせるものがあったからでもある。 そしてそれから何年か経った。有紀さんの絵は岩絵の具を無心に使った「赤」が美しく、大抵は薔薇とともに描かれている。よく見ると人物の輪郭までもが赤だ。そして不思議なことに絵の中に遠近法がない。夢想するものを絵にしているからなのか、と思ったりもする。そう言えば夢と旅の記憶には遠近法がないものだ。両方ともそこには、時間と空間を飛び越えるズームが働いているからだろうか。 『見えない都市—Le cittià invisibliー』は、マルコ・ポーロが元の皇帝フビライにシルクロードで出会った数々の街を語るという想定のもとにカルヴィーノがさらに記号論的創作を加えて描いた架空の都市の短編集である。 この度の「薔薇都市」展では、ささやかなきっかけとなったかもしれない。その見聞録と出会うことが出来そうだ。「見えない都市」を旅した有紀さんの四次元の夢の街角に迷い混んでみたいと思う。
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Drawing Works 18
【EVENT】
6/2(土) 14:00~ POETRY READING 「薔薇の朗読会」≫
—蜷川有紀が、古今東西の薔薇の詩や小説の朗読をします。
6/3(日) 14:00~ ギャラリートーク「見えない都市」を語る≫
※團紀彦氏(建築家)×榎本了壱氏(クリエイティブディレクター)×蜷川有紀 が、様々な都市について語り合います。
6/9(土) 14:00~ 映画「バラメラバ」上映会+トーク≫
初めて脚本、監督を手掛けたショートムービー。本人による楽しいトークもあります。